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お世話になっております★金継師Oさん

先日も、金継ぎの御依頼がありましたので、早々にOさんへお願いさせて頂いた所、修復後の器に添えて、畑で採れた野菜が入っておりました。
画像は、頂いた菜の花です。
他にも玉ネギ等を送って頂き、毎度ながら…。
私の胃袋まで満たして頂き感謝です。
当店に持ち込まれる「欠けた器・割れた器」は、全てOさんに金継を依頼しております。
畑が御趣味!?との事で、それだけで優しさが伝わってくるお人柄でございます。
以前、私が鎌倉方面行きの電車から北鎌倉で下車し、あの素朴な北鎌倉駅のホームを歩いていると「のぞみさん!調度良かった。今から帰って店に行きますから待ってて」と声をかけられました。
30分もしないうちに、その方は店を訪れると風呂敷を広げ「割っちゃったのよ」と九谷の向付を何重にも巻いたタオルの中から取り出しました。
「お婆ちゃんの物なんだけどね…」と、その表情からバレたらマズい!と言う雰囲気が漂っておりました。
お嫁さんは気を使うんだよな〜とシミジミその雰囲気にのまれていると
「のぞみさん。直して。お願い」と必死に訴える表情。
金継の後は残りますよとお伝えすると、とにかく真っ二つに割れた物をくっつけてくれれば良いの!と、あたふたしておりました。
すぐにOさんの元へ九谷の向付を送りました。
Oさんにプレッシャーは掛けまい…と考え、その事情はお話しませんでしたが、Oさんは見事に、それを1ヶ月後に修復してくれました。

その方に、お渡しする時に「お婆ちゃんに、そ〜っと出してみるね」と笑って受け取っておりましたが、その後が気になっておりました。

しばらくして、そこのお宅の『お婆ちゃん』とすれ違った時に、いつもと変わらぬ微笑みで「こんにちは〜」とお声掛け頂き、私も「こんにちは〜」と微笑んだものの、お嫁さんの割った器は、ど〜なったのだろう?とドキドキしながら立ち去りました。

また、数日が過ぎて、その方がいらっしゃいました。
「ど〜なりました?」と聞くと
「あれは、あれで良いじゃないって感じで、あとは、な〜んにも言わないの」
それは良かったと安堵していたら
「むしろ私は金継して若返った感じがして愛着が湧いたわ」

う〜ん。なるほど。
必死になって隠すにも隠せず、捨てるには時代物だと知っているがゆえ惜しまれ、何よりも○○家で長く使われてきた器なだけに嫁として、ど〜したものか…等と考えをめぐらした時間があったのでしょう。
その経緯があって、又、こうして器として甦った器に愛着が湧くのも、面白いものだと感じておりました。

ここからは、私の妄想ですが、その奥様の行く末は、同じ事を将来○○家に嫁ぐ、お嫁さんに言うのかな〜と。

九谷の器『嫁姑、繰り返される』

あ〜、なんとも妄想とは言え、同じ事がこの先々あったとしたら、その器にはドラマがございますな〜と。

しかし、ここの奥さんはたいしたものでございます。

それから御自身で選ぶ器は「金継してもカッコイイ器」の選び方が基本となっております。

笑い合える間柄ですので、こちらに記載致しますが、どこのお宅にも器を巡ってのドラマがございます。

Oさんが修理する器を受取に来る方々は、
「良かった〜。また使える」
と安堵されます。

日本に金継の文化があって、良かった。

今回は、そんなお話でございました。

注意:なるべく大切に扱いましょう(^_^;)