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6年ぶり 薩摩香炉
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6年前に当店から御購入頂いた薩摩の香炉を鞄に忍ばせ御来店したT君も「27歳になりました」と。

まだまだ若いですが、あの頃は20代なりたてでしたから「よく決断したよねぇ〜」としみじみ薩摩香炉とも再会致しました。


久しぶりに拝見させて頂きましたが、やはり良いものは良いです。



画像の通り、手のひらサイズに繊細な絵付が施された珍品(T君の手を拝借)

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大河ドラマで篤姫が放送されていたのも、この頃かと記憶しておりますが、薩摩人気は物凄い盛り上がりを見せておりました。


こちらの香炉を店内のガラスケースに入れたところ、誰もが「うわ〜」と魅入る逸品でしたので、御覧になられた方は御記憶にあるかと…。

ただ、1週間も店頭になかったので、初めて御覧になられる方も多いかもしれません。

所有したT君は、当時、汗だくで資金調達をしてきたのも覚えております。
(当店は親御さんからの小遣いでは売らないと決めているので若い方々は苦労します)

若干、焦り過ぎてアタフタしており「売れませんよね?まだ売れませんよね?」と、あの時の青年はまさに舞い上がっておりました。

彼に限らず、20代の方が一生懸命働いて手に入れるという事がザラにあるのが当店の自慢でもございます。

それが、また良いんです。
稼ぐということを後々考える時間がもてますし。

親から借りて購入しようとした若者は容赦なくたたき出されますので御注意を。

T君も、私に何度かバシッと激を飛ばされておりますが…懲りずに暖簾を潜ってくれております。


弟がいるせいか、お客様と認識していても曲がった根性を見せられると姉になってしまいます。そんな店を今後も続行しますので、何卒、宜しくお願いします。

さてさて、裏側も写真を撮らせて頂きましたので。

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如何でしょうか?

この細かな藤・・・。

文句無しで素晴らしい。

薩摩焼は主に献上品として大名家などに納められておりました。

さすがに抜かりない絵付が多く人物画の表情も豊かに描かれております。

又、肌の色が象牙色というのが特徴にもなりますが、実際、鹿児島県の薩摩焼の窯では、焼いている時に肌に貫入(かんにゅう)が入る音が響きます。

パチパチパキパキ・・・というような内側から入る貫入の音は静寂の中に響き渡ります。

さて、ここで少し薩摩焼についてお話致します。

大きく分けますと白薩摩と黒薩摩とがございます。

白薩摩は、今回、御案内しているような香炉や壷、花瓶等が多く「上手物」と言い薩摩藩御用達窯で焼かれます。

黒薩摩は、俗に言う庶民の日常使いの器が作られております。今でも土瓶や酒器が多く作られております。


薩摩焼は、元々、朝鮮から陶工を連れて帰り帖佐(ちょうさ)や串木野(くしきの)で窯を開いたのが初めです。時代は文禄・慶長の役(16世紀末)

窯の数は、その土地全体に広がり、今でも代々受け継がれております。

串木野にも実際、訪れましたが、山に囲まれた場所にございます。
歴史を学びますと、この意味がおわかりかと思います(店頭で聞いてちょ)
ただ、大自然に囲まれた中に存在する窯ですので、な〜んとも神秘的で空気が違います。
聖なる地を感じてしまいましたが、振り返ると鹿児島弁が意味不明!
(せからしかー!とよく言われます)

苗代川窯でもっとも有名なのが壽官窯ですが、現在は15代沈壽官が継承されております。

明治時代に入りますと透かしの技術が世界レベルに達した程の腕前で・・・・・。

この辺の話は熱く語ってしまいますので、店頭でどうぞ。

(そうだ!お客様に薩摩焼の本を貸したままですが、あれは返して〜!資料として必要)

京薩摩等もございますが、今回はややこしくならない為に、鹿児島県で焼かれた『薩摩焼』のお話をしております。

薩摩焼の中でも色々な窯に枝分かれされておりますので、言葉で並べても難しくなりそうなので時間をみて分布図を作りますね。

久しぶりに再会した薩摩の香炉に、ついつい熱くなりましたが…所有者T君より。

『これ持ってしまってから、何も買えなくなりました』


実に早期な古美術収集の幕が下がりつつありますが、次ぎに彼の目にとまるものが何か楽しみでもあります。

ちなみに彼も収集歴は十代スタートらしいので、目は相当こえております。



この薩摩の香炉のように、人を惹き付けるような人物になって下さいね。


姐店主より